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  3. 「声かけ」が重要です

会話

介護は声掛けから始まる

介護ということを考えた場合、声掛けということが重要視されます。
介護士として働くのであれば、最も基本的な技能といえるでしょう。

声掛けとは、すべてのスタートです。
相手を見ずに声を掛けることはできないのですから、必ず観察することになるでしょう。
声を掛けるといってもいろいろなことがあり、観察してわかった結果から声を掛けることもできるのです。

そのためには、洞察力が重要になります。
いったいどんなことが起きているのか、何もないようでも観察して洞察することができるようになれば、小さな変化にも気がつくことができるでしょう。
介護という現場では、この小さな変化に気が付けるかどうかは、大きな違いを生むことになるのです。

穏やかな表情で声掛けを

体に触れる前にも、声掛けは重要です。
相手に同意を求めることにもなりますし、これから体に障りますよという合図があると、不快感を覚えずに済みます。
心の準備にもなるということは、緊張を解くことにもつながりますので、思わぬリスクを減らすことができるようになるのです。

こうした相互の理解度を高めることにもつながるため、一つの動作に対して、一つの声掛けが重要になります。
それも、はっきりと伝わるように、相手の目を見て、穏やかな表情で伝えることが必要でしょう。

もし、声を掛けられたとしても、強い言葉だったら、誰が心を開くでしょうか。
意図的でも構いません。
穏やかな言葉には、精神的にもリラックスさせる力がありますので、穏やかな表情と共に声掛けをすることを忘れてはいけないのです。

そんな演技はできないというのであれば、毎日鏡の前で自分の表情を見ながら話しかけてみるといいでしょう。
その時に、自分がどんな顔をしているのか、客観的に分析してみるだけでも、洞察力を身につけていくことができるようになります。

いつでも声を掛ければいいわけではない

注意しなければいけないのは、声掛けは重要ですが、望ましくない場面もあるということです。
これも洞察力を磨くことで判断することができるようになりますが、心理状態によっては、声を掛けないほうがいい場合もあります。
認知症が進んだ場合には、声を掛けられただけで不安感をあおってしまうケースもあるからです。

声を掛けなかったせいで、無視されたと思うことも出てきます。
これが不信感につながるのは、誰でも同じことなのです。

声掛けは、簡単なことではありません。
介護の場でのコミュニケーションスキルを磨いていくためにも、声掛けということを真剣に考えていかなければいけないのです。