だんだんと低下していく能力
人間は、歳を重ねるたびに、ある一定のところから能力を低下させていくことになります。
どんな能力でもピークになるラインがあり、これを過ぎれば下降線をたどっていくことになるのです。
総合的な判断能力などは、ある程度加齢しても衰えることはありません。
肉体的には20代にピークが来るといわれるなか、理解や判断力は60代がピークになるとも言われるからです。
そのため、高齢者になっても自分でできることは行ってもらうことで、理解力や判断力を生かしてもらうことができるでしょう。
これがある意味で、尊厳を守ることにもつながっていきます。
できることはやってもらう
年齢を重ねるごとに身体的な機能が低下してしまうと、できないことが増えてしまうでしょう。
誰かに代わってやってもらうことも増えていき、やがてできることでもやってもらったりするようになってしまうのです。
身体的にも楽な選択ですので、誰もがこうしたいと願ってしまう部分があります。
しかし、こうしてできることまでやらなくなってしまうと、だんだんと気力を失ってしまうものです。
生きがいということもなくなっていきますし、何をしてもつまらない日々ができていってしまいます。
できることはやってもらうことで、身体的な機能を維持することにも影響を与えることになるでしょう。
体は動かさなければ衰えていきますが、少しでも動かすことができれば、衰えを最低限にすることもできるのです。
もしも、危険がある場合には、手助けしてあげればいいでしょう。
このメリハリをうまくつけていくことが、介護としても重要になってくるのです。
生きていくために重要な尊厳
できることをやってしまうことで、尊厳に傷をつけることにもつながります。
人間は、生きている限り尊厳をもって生きているものです。
ところが、何にもできないような扱いをされれば、だんだんと無気力にならざるを得なくなってしまいます。
こうした部分を奪っているのは、過剰な介護であり、できることを奪ってしまうことなのです。
個性を尊重し、尊厳を傷つけないようにするためにも、できることはやってもらうということが重要になるといえるでしょう。
生きがいにつなげるために
できることをやれるということは、趣味にもつながっていくことがあります。
手先を使うことができれば、認知症の予防としても効果を発揮することができるのです。
小さなことであっても、自分ができるという思いを持つことによって、夢中になれる時間を作り出すこともできるでしょう。
生きがいになることもありますので、できることは手を出さないということを徹底するべきなのです。